第13章 那田蜘蛛山 ~刺激臭~
目を開けると、私は地面に落ちる所だった。累が私の糸を攻撃に使ったのかと冷静な頭で思った。そして、私の視線の先には……
「っ!?」
相打ち覚悟で累に突っ込む兄の姿があった。私と同じく囚われの身となった姉はまだ眠りについたまま………まだ…?
「………お姉ちゃん!!!!」
私は姉から母の姿が過ぎり、思わずそう叫んだ。そして、自分の刀を取り片足で落下の衝撃を抑えた。
「っ」
足の骨が折れた音がしたが、そんなのもう片方の足が動けば問題ない。私はひゅぅぅぅと息を吸う。
「ヒノカミ神楽…」
そして、片足で姉のところまで飛び上がった。すると、私が飛び上がるのと同時に、姉の瞳も開かれる。
「円舞!!!!」
私が姉を捕らえる糸をバラバラにするのと、姉が兄の方へ手を突き出すのと同時だった。姉の腕がメキメキと音を立てる。
「血鬼術…爆血!!!!」
糸が燃え散り、累と兄の周りには炎が囲い、私は再び眠りについた姉を宙で受け止める。
「お兄ちゃん!!!! 頑張って!!!!」
私がそう叫び、姉を庇いながら地へ背中から落ちるとともに、累の首が弾け飛んだ。