第12章 甘美な旋律【★】
(こんなの、誰にも見られたくない………!)
人目につくバルコニーで
こんなことを強いられて喘いでるような自身を誰かに見られると思うと
恥ずかしくて死にそうだった。
しかし信頼していた相手からの執拗な愛撫に
身体はどこもかしこも甘く疼いてどんどん自身の意思を裏切っていく。
「気持ちいいでしょう………?」
かすれた囁きに、意固地になって首を振る。
その頑なさを試すかのように
やがて片方の手がするすると夜着を伝い下肢へと降りていった。
「あぁ………っ!」
そこはすでにふやけていて、ふっと背後から満足そうな声が降ってくる。