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君色に染まりて【イケヴァン長編◆裏】
第1章 首飾り
自宅へとたどり着き、鍵を開けた。
カチャリ。その音が、妙に物哀しく響く。
闇色に染まる部屋を見つめて、胸が軋んだ。
「っ……、ふ………っ」
そのままぽろぽろと、感情が伝う。
「おばあちゃん………。
どうして………、どうして死んでしまったの?」
その透明なしずくが、首飾りに落ちた瞬間………。
はめ込まれたサファイアから、白い光が弾けて。
(な……に………。
なんだか……急に瞼が、重い………。)
ぱたり。その音が、どこか遠くで聞こえた気がした………。
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