第1章 「愛しいあなたへ」のカカシバージョン
返事は一切いらないと
書いた理由は、
きっと、俺の彼女に
遠慮したのだろう。
綺麗な彼女がいて
羨ましいと
いつも言っていた。
彼女と別れてくれ
とは、ひとつも
書いてはいない。
そういう対象として
見てほしいとも
書いていない。
ただ
俺を好きだということを
知っておいてほしい、と。
それだけのようだ。
『幸せな時間を教えてくれてありがとうございました。』
幸せな時間だなんて、
本当に…お前は。
深く深呼吸をして
ゆっくり目を閉じ、
を
思い浮かべていた。
今、
に、
ただ、
会いたいと思っている。
触れて頭を撫でて
触りたいと感じている。
抱きしめてやりたいとも。
気持ちに気がついてしまえば、
一気に溢れて止まらなかった。
ずっと、
気づいてなかったんだな。
本当に無自覚だった。