第5章 迷い込んだ世界の本質
しばらくトーテムを散策していると、パチパチッと音が聞こえた
燃えている呪いのトーテムだ
「あったあった、これの事か…」
なんて呑気に言ってる場合じゃない
早く壊してあげなきゃね
エースから教わった浄化方法で呪いのトーテムを破壊する
ボォンッ
「おおっ…」
しっかり浄化されるとこのように音が出るそうだ
破壊の瞬間だけ気持ちいいな
さっきエースが開けていたゲートに向かって走った
「……あれ?」
エース達が走っている後ろからおっていたのは、誰であろうトラッパーだった
そう言えば罠があったような無いような…
これが仕事だったのか
一人で納得していた
トラッパーはこちらに気づいた
「シルフィちゃんこっちだ!!」
エースに叫ばれて思わずゲートへ走った
しかし
「あ、れ……」
何かに阻まれて向こう側に行けない
逃げられない
殺される?
死んじゃうのか
後ろにトラッパーがいた
「何故…ここにいる」
「何故か…ここにいたの」
道理でな…とトラッパーはボヤいていた
ベアトラップを片手に鉈を構えていたトラッパーは、エースとジェイクを殺し損ねたが、儀式が終わったことでまた霧に包まれた
何が何だかわからないまま、シルフィはトラッパーの住処へ戻った
風呂を終えたトラッパーに、さっきのは何だったのか聞いてみた
「あれが俺たちの"仕事"だ」
「あの儀式が?」
「そうだ、あいつら生存者を殺して邪神に捧げる、それが仕事だ」
「そうだったの…」
「修理が早かったはずだな、あの臆病メガネの2人は殺したはずなのに、トーテムもがれてからの救助が早かった」
「もしかして、邪魔しちゃったかな」
「いいや、今回に限っては仕方ないだろう」
邪神にとっても想定外だったはずだと、トラッパーは気にしなかった
それでも、シルフィがあのトーテムを破壊しなければ、3人を持っていけたはずだった
トラッパーは密かに、邪神め…と悪態ついた