第5章 迷い込んだ世界の本質
他にも仲間がいたのか…なんて呑気に考えていると、エースの悲痛な叫び声が響いた
誰かに何かされたのだろうか
しかし"儀式"を知らないシルフィは何が起きているかなど知りもしない
エースに促されるままに新しいジェネレーターを探して歩いていくと、修理を終えそうな機械を見つけた
エースが言っていた仲間だろうか
ネッグウォーマーを付けていた単発の青年はシルフィに気づいて手を止めた
「今日は新入りがいたのか」
「は、初めまして…」
「直し方わかるか?俺はジェイク、よろしく」
「あ、さっきエースさんから聞きました、私はシルフィです、よろしくお願いします」
「ああ、さっきのはエースが…じゃあ大丈夫そうだな」
そこまで言うとジェイクはまた黙々と修理を始めた
手には工具箱も持っていて、心做しか修理も早い気がする
もうすぐ終わると言うその時、エースの悲痛な叫び声がまた響き渡った
本来正規のメンバーではないシルフィにエースの居場所はわからない
ジェイクはジェネレーターの修理を終えると、自分が助けに行くと言って工具箱渡すと走っていってしまった
家の中にも同じ機械を見つけたシルフィは、使い方のわからない工具箱を置いて修理を始めた
救助されてきたエースが一緒に修理を進めてくれる
今はジェイクが引き付けてくれているそう
しかし、何を引き付けているのかわからない
話を合わせておこう、とシルフィは相槌だけ打った
気づけば規定の個数の機械を修理出来たらしい
こっちだと案内されてついて行けば、ゲートのような物がある
レバーを引いてゲートを開くと脱出できるらしい
やはり何を言っているのかわからない
エース達を追う"何か"もわからずじまい
また誰かの悲痛な声が聞こえた
「あらら…ノーワンじゃないか…」
困ったな…なんてエースは呟いた
なら逃げてしまえばいいのに
「トーテムはわかるか?」
「トーテム?」
「ああ、骸骨が組まれたやつなんだけど」
「ああ!あれか!」
「あれが燃えてるやつが1つあるはずなんだ、手伝ってくれ」
「あ、うん」
説明を聞くと、この呪いのトーテムは怖い力を込められたものらしい
破壊しない限り力の効果は消えないと言うので、これを探して壊す必要があるのだそう