第5章 迷い込んだ世界の本質
真実を知ってからも、今まで通り過ごした
と言うのも、いきなり態度を変えたところで気まずくなるだけ無駄だと思ったから
そんなある日である
掃除の最中に霧に包まれたシルフィは、トラッパーの住処とはまた違う場所にいる事に気づいた
何件か家があり、真ん中の道路には壊れたパトカー
見た事あるような風景だったが、どこだったか…
「…これなんだろう…?」
シルフィは見たことの無い機械を見つけた
動いてはいない
散策していると複数個チェストも見つけた
骸骨が組まれた何かも複数個ある
ちなみに機械も所々に点々といくつか置いてあった
完全にただの迷子
ここは一体どこなのだろうか
考えていると、後方でガサガサと草の揺れる音がした
「へ…」
「おや?見ない顔だねぇ」
背の高いおじさんが立っている
この人は誰だろう
「どなた…ですか?」
「ん〜、それはこちらのセリフでもあるけど……おじさんはエース、エース・ヴィスコンティだ、お嬢さんは?」
「あ…私は、シルフィです…」
「シルフィちゃんね、この世界は初めてかい?」
「わかりますか?」
「ここはどこだ?って顔してるよ」
「は…」
そこまで聞くとシルフィは恥ずかしそうに顔を赤らめた
そんなに顔に出てたんだ…
エースはクスクスと笑うと、こちらへおいでと手招きした
ついて行くと、さっきも見たあの機械がある
「これをね、直すんだよ」
そう言って手本を見せてくれる
案外簡単そうだなと、シルフィもエースを真似して直し始めた
「シルフィちゃんはどこから来たんだい?」
「どこから…と言うと?」
「おじさんはね、こことは違うところにいたんだけど…気づいたらこの"儀式"の中にいたんだ」
「"儀式"…」
「この世界を支配する神様の、腹を満たすためのお遊びさ」
お遊び?お遊びでこんな事をするのだろうか…
もしかすると、トラッパー達の仕事と何か関係してるのかな
世間話を続けながら、1つ目の修理が完了した
すると、エースは何を感じたのか隠れるように促した
「いいかい、おじさんが引きつけるからその隙に別のジェネに急ぐんだ、他の仲間が直してるはずだから、いいね?」
「は、はい…」