• テキストサイズ

〖イケメン戦国〗金平糖日和《SS集》

第1章 満天の星に願いを込めて*秀吉、政宗、三成*





「戦から無事に戻れたら…私と結婚してください」




その瞬間、舞様の目が大きく見開かれる。
握りしめた手は、微かに震え……

舞様は押し黙って、私を見つめてきた。




「無茶を言ってごめんなさい、舞様」

「三、成、く……」

「でも、聞いてください。私は貴女と約束出来たら、それを信念の一本槍として掲げ、生きることが出来るのです。だから誓わせてください、貴女を守る為に帰ってきます。私と…夫婦になってくださいませんか」




無謀な事を言っているかもしれない。
戦に赴く男と夫婦になる約束なんて……
もし果たせなかったら、舞様をその約束で縛ることにはならないだろうか。


────それでも、その約束があったなら


私はそれだけで、強くなれる。
何がなんでも帰ってこようと……
貴女が私の生きる糧になる。

貴女は、何よりも尊く強い存在なのです、舞様。



「ぁっ…三成君っ……」



私が握る小さな手の甲にそっと口づけると、舞様はぴくりと肌を震わせ、小さく息を漏らした。

今すぐに、その吐息ごと奪って……
肌を合わせて、貴女を感じたい。

けれど、今はそれが出来ないから、この先の確かな約束をください。

そう願って、舞様を見上げる。
すると舞様は少し瞳を潤ませ、私を見下ろし…
やがて、首を小さく縦に振った。




「三成君が帰ってきたら、私、三成君のお嫁さんになるよ」

「舞様……」

「だから、必ず帰ってきてね、私の元へ。約束破ったりしたら…許さないんだから」




震える声で、そう舞様が言った刹那。
舞様の瞳から、美しい雫が一筋零れた。

それを見て、酷く心がざわつく。

そうか、この方は……
私の身を案じ、不安を一生懸命堪えているのだと。
それが切々と伝わり、一気に心苦しくなった。


────でも、大丈夫


私は、必ず貴女の元へ帰ってくる。
貴女が私に約束をしてくれたから。

その約束に誓って。

貴女を守る為に、貴女と一緒にこの先も生きる為に。
その約束があるから、私は何処へ行こうとも……

貴女の涙を拭いに、帰ってきます。






/ 50ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp