第1章 満天の星に願いを込めて*秀吉、政宗、三成*
────天翔る星達に、想いの全てを注ぐ
「どの星が織姫と彦星だろうな?」
「あ、私解るよー!」
「へぇ、どれだ?」
「天の川を挟んでね、あっち側が織姫で……」
「ああ、言われてみれば明るいな」
「そうでしょう?よく見えるよね」
「……まぁ、織姫はここにも居るけど」
「え、何か言った?」
「なんでもないよ。ほら、はぐれるなよ?」
神頼みなんて、性に合わないけれど
今日だけは、祈ってみたい気にさせられる
俺の織姫、手に入れるために
きっと今頃は、この紫紺の夜空の下で
空の恋人達も逢瀬をしているに違いない
────願いよ、届け
お前だけの一番星になれるように
お前を守る、彦星になれるように
繋いだ手を離さずに、このままずっと……
淡く燃える想いは紅
心を焦がして、染めていく
俺は赤裸々に溢れる想いの全てを
たった一枚の短冊に込めて……
織姫と彦星が見守る中、満天の星にも負けない鮮やかな想いを、言葉に紡いだのだった。
《満天の星に願いを込めて 秀吉ver.》
終