第4章 たまには甘えていいですか?*三成、家康、光秀*
「うーん…やっぱり駄目だな」
「どうしたの?」
「貴女が足りなくて困っています。もう初期じゃないから、大丈夫だとは思うのですが……」
「え?」
「……久しぶりに愛されてみますか?」
唇を離し、悪戯っぽく瞳を覗きながら言うと、舞様は目を見開き、また頬を染めた。
そして、数回瞬きをして……
困ったように、可愛く唇を尖らせる。
「愛されてみますか?って……」
「貴女を抱けないと癒されません、最初は産まれるまで我慢しようと思ったけど……やっぱり駄目みたいです」
「もう、三成君は……」
「だめ、でしょうか……」
すると、舞様はふわりと首に抱きついて。
最高に愛らしく、私に答えをくれた。
「優しくしてくれなければ……もう禁止だからね?」
────貴女を、誰よりも愛しています
この身に巣食うものは、貴女でなければ癒されない。
貴女がいないと……息すら出来なくなってしまう。
だから、こうして温もりを求める
貴女は責任持って、愛されて、
この私の一生分の想いを受け止めて?
「はい、約束しますよ」
そのままふわりと抱き上げれば、貴女はさらにしがみつき、優しい笑顔になった。
久しぶりに訪れる、甘い時間に想いを馳せて。
浮ついた心が知られないようにしていても、ゆるむ表情筋はどうしようもない。
────ねえ、舞?
子どもが産まれたら、一番に愛しましょう。
私と貴女の愛の結晶だから、当然だけど。
でも……貴女にはこう言いますよ?
『一番』でなくても『唯一』の女性だと。
私の心を惹き付けるのは貴女だけだから。
たった一人、貴女にしか持てない感情だから。
全て捧げさせて、貴女だけに──……
こうして、私は癒しを得た。
この腕に貴女を感じることで、癒されて。
また次なる一歩を踏み出す。
一緒に足並み揃えて、行きましょうね。
一本に繋がった、私達の生きる路を──……
《たまには甘えていいですか? 三成ver.》
終