第4章 たまには甘えていいですか?*三成、家康、光秀*
「どんな子が生まれてくるか、楽しみですね」
「ふふっ、きっと三成君に似た綺麗な子だよ」
「いいえ、それは違います!」
私はむっくり起き上がると、そのまま自分の膝に、舞様を後ろ向きに座らせた。
そして包み込むように腹を撫で……
舞様の耳元で確信を得た考えを紡ぐ。
「きっと舞様によく似た、可愛らしい子ですよ」
「え、三成君に似た方が綺麗になるよ!」
「いいえ、舞様に似た方が可愛いです。この世に貴女以上に愛らしい方は居ませんからね」
私がそう言うと、舞様は振り返り、困ったように笑って私を見た。
その黒真珠の瞳の中に、幸せそうな自分が映る。
私はこんな顔もするんだなぁと……
新たな発見をして、少し照れくさかった。
それは全て…貴女が居なければ、知ることも出来なかった。
(貴女に出会えて……本当に良かった)
愛せて、良かったと思う。
愛してもらえて、この上ない喜びだ。
これからは、生まれてくる新しい生命と一緒に……
愛の溢れる家庭を作っていこう。
家族になったのだから、私達は。
「舞様、ありがとうございます。貴女と一緒になれて、子供まで出来て…この上なく幸せです」
私は舞様の小さな身体をぎゅっと抱き締め。
心からの感謝の気持ちを伝えた。
すると、舞様も恥ずかしそうに微笑んで、小さく頷く。
ああ、可愛らしいな。
そう思ったら、自然に手が動いた。
舞様の頬に手を当て、そっと引き寄せ……
その桜色の唇を、己の唇で塞ぐ。
「んっ……」
舞様が小さく息を漏らして。
気持ち良さそうに、顔を蕩かしていく。
啄む甘い水音が、秋風に溶けて……
その砂糖菓子のような空気に身を任せ、体温まで溶け合うような心地すら覚えた。
私は駄目な男ですね?
こうして、腹に子がいるのを知っていても……
貴女を奪いたくて、堪らなくなる。
こうして、貴女が可愛らしく蕩けるから。
その先を見たくて、心が疼く。
貴女にもう、溺れているから。
温もりに、肌に、五感は全て貴女を感じて、
────そしてまた、熱情は温度を上げるのだ