• テキストサイズ

〖イケメン戦国〗金平糖日和《SS集》

第2章 君との✕✕は甘く切なく*信長、光秀、家康*




「元気になる薬?」

「そう、要らないならいい」

「ううん、欲しい!」

「なら…もっと俺の方に寄って」




俺がそう言うと、舞は身体がくっつきそうなくらい、身を寄せてきた。

俺はそのまま、自然な仕草で舞の肩を引き寄せ、そして──……

ちゅっ……
その白く柔らかな頬に、自分の唇で触れた。

すぐに顔を離すと、舞は豆鉄砲を食らった鳩のような顔をしていて。
やがて、ぽっと頬を赤く染めると、真ん丸な目をさらに見開いて俺を見た。




「い、いえやっ……」

「なに、元気出なかった?」

「で、出たけどっ……!」

「なら、いいでしょ。そーゆー顔されると、こっちまで照れるんだけど」




(……真っ赤になってる、すごい可愛い)




頬に口づけただけで、こんなに頬を染めて。
恥ずかしくて、照れているんだろうな。
そう思っただけで、愛しくて心が疼いた。

舞に淡い恋心を抱き始めてから……

心は丸ごと舞に奪われてしまい。
いつか触れたいと、舞を見るたびに心が焦がれた。

今日のは、きっかけがあったからに過ぎないけれど。
もし、舞が俺を意識してくれたなら……
そう、思わずには居られない。




(……呆れるほど受け身だな、俺)




自らの臆病ぶりに、本当に情けないけれど。
それでも、手を出してしまうのは、少し怖い。
俺にすら、舞を汚されたくないと思うから。






「……家康」






すると、舞は未だに頬を赤くしながら、俺を再度ゆっくり見つめてきた。

潤んだ瞳、なんだかそれが熱っぽく見えて……
少しだけ、心臓が跳ね上がる。




「なに」

「あ、あのね、やっぱりそれじゃ元気出ない」

「……そう」

「だからっ…もう一度、ここにしてっ……」

「えっ……」




舞が『ここ』と言って指差したのは。
桜色をした、柔らかそうな唇。
しっとり濡れて、潤って……

俺がずっと触れたいと思っていた、禁断の場所。

そこにもう一度口づけろと舞は言う。
それはすなわち、舞も俺の事を……?

そんな仮想が立って、さっき跳ね上がった心臓が、さらに大きくドクンと高鳴った。






/ 50ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp