第2章 君との✕✕は甘く切なく*信長、光秀、家康*
────儚く甘い、焦がれるあんたに
俺の想いは泡沫へと消える訳ではなく
微かな希望に、胸を馳せても構わないのか
「…っ、あんたね……」
「だめ、かな……」
「だめなんて、一言も言ってないでしょ。ほんとにもう、舞って……」
「家康……?」
今度は赤面するのは、俺の番だ
顔だけじゃない、心も……
火照って、真っ赤に染まって
あんただけを想う色になる
────それは、紅に燃ゆる蜜なる炎
「なら、早く目を瞑りなよ。そのままじゃ出来ないでしょ、俺の事は見なくていいから。言っとくけど、他の男にこんな事させたら許さないから。俺だけにさせるって言うなら……もっとしてあげてもいいよ」
焦がれ、焦がれて溶けてしまうほどに
あんたと触れ合えたなら、これ以上の幸せはない
想いは天邪鬼でも、赤裸々だから
純とは言えなくても、誰にも負けない
あんたを想う気持ちは、真夏の太陽より熱く
どうしようもならないくらい、溺れてるから
────誰も知らない、秘密の言葉を言うよ
そっと耳元で囁いて
さらに真っ赤になる、あんたを見たい
俺は、そっと舞の身体を引き寄せ
その焦がれてやまない唇に、
熱を落としていったのだった────…………
《君との✕✕は甘く切なく 家康ver.》
終