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〖イケメン戦国〗金平糖日和《SS集》

第2章 君との✕✕は甘く切なく*信長、光秀、家康*




《君との✕✕は甘く切なく 家康ver.》




(あれ、舞……?)




城での軍議が終わり、広間から庭に面する廊下へと出ると、庭を眺めながら佇む舞の姿を見つけた。

なんだろう、その姿がやたら小さく見える。
ああ、俯いているからか…と気がついてみれば、その舞の様子がやたらと気になった。

ため息をつき、またため息。
いつも眩しいくらいに輝いて見える表情は、なんとなく影を落とし。

普段、呆れるくらい真っ直ぐを見ているのに、俯きがちで。

どうして、そんなに暗い顔をしているんだろう。
それが妙に気になって、俺は舞に声を掛けた。




「舞、どうしたの?」

「家康……」

「暗い顔してる。あんたには似合わない」

「……」

「話くらいなら聞いてあげるけど」




すると、舞は一回俺の顔を見上げ……
すぐにまた庭先に視線を戻し、ぽつりぽつりと話しだした。




「色々失敗しちゃってね……」

「失敗?」

「縫い上がった羽織は落として土まみれにしちゃうし、掃除してたら花瓶は割っちゃうし、廊下で転ぶし」

「……失敗って言うか、ただのドジでしょ」

「ううう、返す言葉もありません……」




俺の言葉に、ますますしょげる舞。
それで落ち込んでいたのか……と思ったら、なんだか舞が愛しく思えた。

俺からしたら、可愛い失敗だ。
でも、舞はこの世の終わりみたいな顔をして、落ち込んで暗くなって。

なんだか、可愛いなぁと。
そう思えて、堪らない気持ちになってくる。



(でも、舞にとっては落ち込むことなんだよな)



俺にとっては可愛い失敗でも、舞にとってはそうではないのだから。

あまり、舞の落ち込む姿は見たくない。
なんとか励ませないか、と考え……
俺は『ある事』を思いつき、提案してみることにする。




「そんなに落ち込むなら、元気になる薬、あげようか」




すると、舞はふっと顔を上げ、目を真ん丸くして俺を見てきた。

そして、少し首を傾げ……
不思議そうに言葉を紡ぐ。





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