第2章 君との✕✕は甘く切なく*信長、光秀、家康*
《君との✕✕は甘く切なく 光秀ver.》
(────温かいな、随分)
腕の中に甘い匂いと、温かさを感じ。
俺は何かに引き寄せられるように、意識を浮上させ、瞼を開いた。
霞がかった視界が、だんだんと鮮明になり……
一点に焦点を結んでみれば、俺の腕枕ですやすやと眠る、舞のあどけない寝顔がそこにはあった。
────ああそうか、昨夜は舞と
そう考え、思わず口元が緩む。
舞と恋仲になり、初めて身体を重ねた昨夜。
その甘い夜の記憶が、一気に思い出された。
聞いたこともないような、舞の甘い啼き声。
赤く染まった肌、唇で噛んだ時の柔らかさや。
濡れて熱い、その奥底も……
全てが愛しく、煽られて、熱を何度も小さな身体に注いだ。
その証拠に。
舞をよく見てみれば、その白い肌には、赤い花びらのような痕が無数に咲き乱れている。
俺のものだという証。
こんなにつけてしまうなんて、独占欲の塊だな。
(仕方ないだろう、舞が可愛くて堪らない)
そう思いながら、指の背で舞の頬を撫でる。
すると、舞が何やら小さく唸り……
やがて、ゆっくりとその瞼を開いた。
「……おはよう、舞」
「あ…光秀さん……」
「よく眠れたか?」
「はい、ぐっすり寝ちゃいました」
少し気怠げで掠れた声が、何とも色っぽい。
俺が変わらず、舞の頬を撫でていると、舞は少し恥ずかしそうに頬を染めて俯き。
何を思ったか体制をくるりと変えて、俺に背中を向けた。
「何故背中を向ける?」
「な、なんか恥ずかしくて……」
「何を今更…お前のもっと恥ずかしい姿も俺は見ているだろう?」
「そ、そうですけどっ…今はもう明るいし、あんまり見ちゃだめですっ……」
(……どこまでも愛らしい小娘だな、まったく)
陽に照らされ、明るく鮮明になると、良く見えるから恥ずかしいのか。
どこまで俺を惚れさせるのだろう。
身体を重ねても尚、初心さが抜けない舞。
本当に……可愛くて参る。
俺は背中を向ける舞を背後から抱き締めると。
首筋に顔を埋めながら、少し意地悪く言った。