Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第9章 Sorrow in my heart
「・・・マネージャー・・・エルヴィンと何かあったな」
結衣の瞳が揺れたのを見逃さなかった。
「また言い寄られたのか。それとも乱暴されたのか?・・・何故、何も言わない・・・」
「本当に何も無いよ・・・」
「だがあの夜の後、あの人は俺達の邪魔ばかりしてる気がするぞ。前は遠慮して自分からどっか行ったりしてたのに」
「たまたまだよ・・・ライナーは心配症過ぎだよ」
結衣の顔は、完全に嘘をついている時の顔だった。
「結衣、こっちを見ろ」
目を逸らす結衣の頬に手を当てる。
「結衣の全てを知りたい、とは言わない。だが・・・これだけは知りたい」
結衣の、ライナーを見る瞳は揺れたまま。
「・・・俺を愛しているか」
結衣は一瞬息が止まる。
「・・・愛してるよ」
「そうか、ならいい。もうこの件は聞かん。しつこくして悪かった」
ライナーの手が結衣の頬から離れ、背を向け歩き出す。
咄嗟に、結衣はライナーの手を掴んだ。