Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第13章 Side Story , Reiner -850-
「ルイーゼ」
「ん・・・」
「愛してる」
「・・・うん・・・!」
綻んだ顔。
そうか、こんな可愛い奴だから、きっと団長からビシバシ扱かれているに違いない。
大変な仕事なんだろう。
寄り添うルイーゼを引き寄せるようにし、腕を回して肩をさすってやる。
「さて、そろそろ戻るか・・・こんな状態のお前を一人にするのは心苦しいが」
「・・・兵士じゃなかったら・・・さ、夜だって一緒に居られたのかな」
「・・・そう、だな」
立ち上がった俺を見ないまま、地面を見ている。
「兵士じゃなかったら・・・死を恐ることなく、ずっと一緒に居られるのかな・・・」
「・・・そうかもな」
何、泣きそうな顔してる。
「俺は」
ルイーゼが顔をゆっくりと上げた。
「兵士だろうが、なかろうが、俺はお前と必ず一緒になる自信がある。例え死んだとしても、生まれ変わって俺が必ず見つけ出す・・・おい、泣くなよ・・・」
「なんで・・・そんなクサいセリフ言えるのお・・・」
ボロボロと涙を零すルイーゼ。
俺は慌ててルイーゼを宥める。
俺は知らなかった。
故郷、国の為。
パラディ島の悪魔を全滅させる。
・・・そう強く思っていた。
だがルイーゼだけはこの地獄から、なんとしても救い出す。
なんとしても。
俺の、命に代えても。
-『Side Story , Reiner -850-』END-