Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第1章 I’ll never forget you
ライナーを来日の度に姿を見かけてはいたが遠巻きで見るのが精一杯、話すのは結衣が入社から5年で今日が初めてだった。
「今回の滞在はいつまでなんですか?」
「今日も入れたら後2ヶ月だ」
「大変ですね・・・、2ヶ月か。私なら寂しくてすぐにホームシックになっちゃいますよ」
・・・彼を一目見てすぐに分かった。
幼い頃から“記憶”で見ていた彼。
こうして話すだけで、涙が込み上げそうになる。
「初めはホームシックによくなったな。今はむしろ楽しいよ。こうして佐藤とも話出来たしな」
不意打ちの言葉に、結衣は顔が熱くなる。
「(やば・・・泣きそ)あの、ブラウンさん、ありがとうございました・・・!っと・・・そろそろ失礼します!」
アワアワと支度し始める結衣に、「おう・・・」と戸惑いながら返事をした。
「バタバタすみません!またお話しましょう!」
逃げるように去る結衣を、ライナーは黙って見送った。