Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第1章 I’ll never forget you
「(ライナー・・・)」
結衣と目が合い、近付いてくる。
「佐藤」
「はい、何か」
自然に振る舞えているだろうか。
ライナーに呼ばれた名前は、長年付き合ってきたもの。
今まで呼ばれた「佐藤」の中で一番胸が高鳴った。
だが、ライナーに名前を教えたことは無い・・・エルヴィンに聞いたのだろうか。
結衣はとりあえず考えをスルーしてライナーを見る。
「良かった、まだ居たんだな。今日、大丈夫だったか」
「え・・・何がですか?」
「何がって・・・マネージャーに迫られてただろ。ありゃ下手すりゃセクハラだな。佐藤に必要以上に近付き過ぎだ・・・あの人は」
「そ、う、ですかね?はは・・・」
「おいおい・・・危機感無さすぎるぞ」
やばい、会話が続かない・・・!
もっと話したいのに。
結衣は焦りながら会話を続けた。
「あの・・・わざわざすみません、助けていただいたみたいで。ありがとうございました」
「ああ、気を付けろよ」