Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第6章 Pathetic mind
「だが私は簡単に引き下がるつもりは無い。君に振り向いて貰えるように尽くすよ」
エレベーターが止まる。
エルヴィンが結衣の頬にキスをしたと同時に扉が開き、扉の前にいた人物を結衣の目は捕えた。
「・・・結衣?」
「ブラウンさん・・・」
エルヴィンが結衣のアゴから手を離し、エレベーターを降りるとライナーの肩に手を置き、耳元で何か囁いて後ろ手に手を振って去っていった。
「さっき・・・マネージャーから聞いて迎えに行こうとしてた。・・・大丈夫だったか?」
「う、うん・・・」
ライナーは特に何も変わらぬ様子で結衣と並んで会社を出る。
今日のことを話し、ライナーは結衣を家に送り届けてくれることになった。
その道中、ライナーのスマートフォンが鳴った。
画面を見てため息をつき、着信音を消してポケットにしまった。
「・・・彼女さん?」
「・・・気にするな」
ライナーは結衣の手を取ると、握り締めてきた。