Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第6章 Pathetic mind
「彼が言っていたよ」
昨日の忘れ物、“結衣”に届けてください
エレベーターの扉が開いた。
結衣はゆっくりとエルヴィンに押されてエレベーターに入った。
階を選択して、階ボタンの前に立つエルヴィンを見る。
「返事はゆっくりと思ったが・・・すぐに聞きたい」
低い声がエレベーター内に響く。
「・・・え」
「交際の返事だ」
結衣は振り返るエルヴィンと視線が絡む。
その目は怒りを含んでいるような、悲しみを含んでいるような。
「返事・・・は・・・その・・・」
結衣は意を決して答えた。
「すみません、お受け出来ません」
結衣が言えば、エルヴィンは顔に手を当てて笑った。
「・・・だろうね、すまない。ちょっと演技が過ぎたか。ライナーが君のことになるとあんな血相かくんだ、みんなにバレバレだよ」
「な・・・」
結衣が顔を赤くしていると、エルヴィンが結衣のアゴを上げた。