Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第6章 Pathetic mind
結衣は高いビルから落ちるような感覚がした。
「・・・いっ・・・た・・・」
上半身がソファーから落ちて、目が覚めたのだ。
窓の外は若干暗くなってきていた。
「・・・へ?嘘、嘘、えっ・・・!?今・・・」
スマートフォンを見ると、20時半過ぎ。
「やば・・・え!?」
結衣がひざ掛けを急いで畳み、棚に直して応接室から出た。
オフィスに戻るが、既に電気は消えて暗い。
「あ・・・みんな帰ってる・・・」
だが結衣は窓辺に誰かが立っているのを見つける。
「ひっ・・・あ、マネージャー・・・?」
「驚かせてすまない・・・ついさっきまで席を外していたんだが、最後に出て行った者が電気を消してしまっていてね。今君を起こしに行こうと」
「マネージャー、すみませんでした!こんな時間まで・・・私の仕事は・・・」
「大丈夫、気にしないで。明日引き継ぎをするから」
エルヴィンの言葉に、結衣はハッとする。
「・・・まさかマネージャーが?」
「さあ?どうかな。とりあえず会社から出よう」
「はい、本当にすみません。でも本当によく眠れました、寝過ぎなくらいに・・・」
「良かった。本当に心配だったよ」