Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第1章 I’ll never forget you
「お話中失礼します、マネージャー。宜しいですか」
エルヴィンにそう言うのは、いつの間にか取り巻きも居なくなり、片手に空の紙コップを持ったライナーだった。
チラリと目が合う。
「(まさか・・・助けてくれた?)」
エルヴィンに話しながら、その場から離れるように移動し始めるライナー。
エルヴィンが結衣に向き直って「また返事を聞かせてくれ」と言って名刺に何かを書いてから渡された。
裏には連絡先があり、片手をヒラリと振ってからライナーの元に向かって行った。
結衣はその背を見ながら、息を大きく吐いた。
「(・・・やば・・・これ返事返すべき・・・だよね・・・?・・・マネージャー・・・こんな積極的だったの・・・?記憶ではもっとお硬い方だったような・・・)」
そう、何を隠そうエルヴィンも結衣の記憶に関係する人物。
記憶の中の結衣は、巨人を討伐し人類の為に存在した兵団、調査兵団の兵士。
エルヴィンはその兵団の団長だった。
見た目も名前もライナーと同じくそのまま。
中身は記憶の中にも出てくるが、よく書記として行動を共にしていた結衣にも割とサッパリした対応ばかり・・・だった気がする、多分。