Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第5章 Fleeting comfort
結衣が泣きながら話すと、ライナーが結衣の手に触れた。
「・・・守れなくて、すまなかった」
その言葉をすぐに理解した。
エレンを奪還された後、突然襲い狂う巨人に、手出しできずに死んだあの時。
巨人化したライナーの悲痛の叫びを最期に聞いた所で、結衣の記憶は無くなっている。
「・・・私も・・・ごめんなさい。一緒に故郷に行けなくて、ごめんなさい」
その言葉でライナーが結衣を引き寄せ、抱き締めた。
結衣とライナーは、しばらく抱き合ったまま涙を流した。
しばらく泣いて、少し落ち着いて離れるが、引き合うようにゆっくりと顔が近付く。
そのまま唇が触れそうな位置で止まった。
ライナーの恋人からの電話が鳴ったのだ。
まるで、ライナーの恋人から「見てるぞ」と、警告されているかのように。