Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第5章 Fleeting comfort
「はい、勝ちましたー!だからそう甘くないんだって!」
両手を上げて喜ぶ結衣。
結局勝負は結衣が勝利した。
「はい、じゃあライナーの秘密聞かせて!」
結衣がライナーを見る。
ライナーが真剣な表情をして結衣を見た。
「・・・実は俺・・・」
真剣さに思わず固唾を飲む。
「女なんだ・・・」
「うん、嘘だね」
結衣は笑うと、ライナーが「まあつまらん冗談はさておき」と言った。
「俺には前世の記憶がある・・・といえば信じてくれるか」
「・・・は・・・」
「・・・だよな、そうなる。やっぱり何でも」
「く、詳しく聞かせて!」
結衣の勢いにライナーは話し出した。
それは結衣の記憶、夢に見る世界と同じ。
そして。
「結衣、お前とその世界で恋人だった。馬鹿げた話だよな。俺にも何故かサッパリ分からんが、物心ついた時からお前との記憶はあった。気持ちが悪いと思うだろうが、これが俺の秘密だ」
結衣は言葉を失った。
「・・・ライナー・・・、私・・・」
涙が溢れ出る。
「ずっと・・・待ってた。ライナーに会えること。私もあの世界の、それからライナーとの日々の記憶がある。ずっと妄想だと、夢だと思ってた。ずっと、ずっと・・・」