Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第1章 I’ll never forget you
結衣の“記憶”は、遡れば幼い頃には既にあった。
それこそまだ1桁の年の頃は、周りに話しては「想像力の豊かな子だ」と言われたが、年頃になり気が付いた。
ーきっと自分の妄想だ。
だが眠ると、毎日毎日同じ世界の夢を見る。
そして、そこには自分の愛していた男の姿がいつもあった。
『ルイーゼ』
優しく名を呼ばれる。
分かる。
これは自分の名前。
ルイーゼ・クラウゼヴィッツ・・・それが結衣の記憶の中で呼ばれている名だ。