Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第2章 I think of you
結衣は階ボタンの前に行く。
その時、ライナーが結衣だということに気が付いたようだ。
「ブラウンさん、お帰りですか?」
結衣が意を決して話しかけると、バツが悪そうにライナーが答えた。
「ああ。佐藤も?」
「はい」
なるべく明るい声で話す。
「・・・さっきのだが・・・聞かれてたよな」
ズキン、と胸が痛む。
「・・・はは、恋人ですか?」
「まあ、一応な。嫉妬深いんだ、アイツは。毎日朝昼晩電話やメールは絶対・・・気が滅入るぜ、本当に・・・」
「た、大変ですね・・・ブラウンさん素敵だし、社内でも人気者だから彼女さんの気持ちも分からなくないですね」
ちょっと笑って冗談っぽく言うが、ライナーの人気は本当で、頼れて男らしくて、気が利いて。いつも男女問わず周りに人がいる。
彼女の感じからして、住んでいる国でも人気者なのだろう。