Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第12章 Side Story , Erwin -850-
会議中。
隣に座ったルイーゼが紙に書いた文章を指してあっているかをジェスチャーで聞いてきた。
右手薬指に指輪がはめられている。
頷き、合っているよと微笑んでやると、安心したような顔になる。
昨日は無かったはずの指輪。
会議が終わり、それとなく聞けば、結構前から同期と恋仲にあるという。
彼は優秀な成績を納めたライナー・ブラウンという兵士。
ライナー・ブラウン自体は、キース教官からも「優秀な奴がいる」と、話は聞いていて知っていた。
指にはめた指輪は、昨日プレゼントされたらしい。
ルイーゼを見ていたつもりだったが、交際しているとは全く知らなかった。
幸せそうに語るルイーゼ。
上手く笑えない、俺は今、冷たい目をしているだろう。
なんて面倒な男なんだ、俺は。
今までに無かった感情を隠す為に、大人気ない対応をしてしまっている。
そして意識はしていなかったが、ライナー・ブラウンとの関係を知る以前より増して、ルイーゼに仕事を多く与えるようになった。
自分の傍に置くために。
嫌な顔せずに仕事に励むルイーゼに、少しだけ心を痛めて、それに知らぬ振りをしながら日々を過ごしていた。
そして第57回壁外調査で怪我を負ったルイーゼを見舞いに行った時のこと。