Rein Carnation《進撃の巨人/ライナー》
第10章 Forever I love you
「・・・え、え・・・」
結衣が戸惑っていると、ライナーが手にしていたキャリーバッグを立てて、結衣の方を向いた。
「結衣・・・お前、勘違いしてるぞ」
「勘違い・・・」
「俺は別れるなんて一言も言ってない。それに帰国は異動手続きの為だ。俺は日本(こっち)の本社に異動、昇進も決まってる。・・・日本で暮らすんだよ、お前と2人で。手続きもひと月程だからその間にはお前にも説明するつもりだった」
「待って!!でもそんな話全く・・・」
そこで結衣はハッとする。
エルヴィンとの事があり、気まずくなっていた時、ライナーと休憩室に居た際にふと言われた事。
『俺が日本に永住するとなったら・・・どう思う』
そこで返事する前にエルヴィンがやってきて話は終わった。
結衣はそのまま、言葉の真意を聞くことが出来ず、距離を取ってしまった。
「・・・ライナー・・・」
「ああ。悪かった、無理にでも話しておくべきだったな。それに俺は、マネージャーとのことをとやかく言えた立場じゃないしな」
ライナーが近付いてくる。
ライナーに分かるか分からないくらいにほんの少し手を動かせば、すかさずライナーが手を取った。
「結衣」
強い、真っ直ぐな眼差しは結衣を捉える。
「はい」