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イケメン戦国~IFな小噺(家康only)~

第9章 新しい筆のおろし方02


「じゃあ、最初の頃は馴れるために毎日時間をつくるから」

「はっはい」

「じゃあ葵おいで」

「えっ」

「こっちにきて」

「は、はい」

胡坐をかいた家康の近くによっていくと手を引かれ
ここに座ってと足に促される

「ええっ」

「いいから」

「し、失礼します」
家康に背中を向けて、足の上に座りながら恥ずかしくてうつむいてしまう

「まず最初は人肌になれて」

「えっ」

「誰かと関係を持つという事は、お互い身を任せることになる。まずはそれに慣れないと」

「な、るほど」

「そのまま俺の方に体重をかけて」

「うん…」
とまどいながらも背を預けるようにする

「俺は本を読むから、葵も好きにしていいよ」

「じゃ、ここ退くね」

あげかけた腰に手を廻され、引き戻される
「きゃっ」

「何言ってんの?このままだよ」

「ええっ」

「慣れるためなのにこんな短時間じゃダメに決まっているでしょ」

「そう、だよね…」

家康は既に本を開いて文字を目で追っている
しだいに落ち着いてきて、きちんと家康に体重を預けるようにすると
大きな手が数回頭を撫でてくれた


わぁ大きな手、、あったかい
ん…でもこの感覚しってる…?


撫でられたまま首をかしげると

「ん?どうかした?」

「んーなんとなく家康の手に撫でられる感覚を知っている気がして…」

「ふうん?気のせいじゃない?」

「そうだよね」

「そんなことより、あんたも暇なら本でも読む?」

「ううん、大丈夫。家康が読んでるのを一緒に見てる」

「そう。次からは繕い物とかもってきてもいいから」

「うん」





蘭丸となんて、いや他の男とだってそんなことをさせるか!

蘭丸だって何が筆おろしだ!
あいつのことだとっくの昔にそんなもの済ませているはずだ
それを分かっているのに涼しい顔をして葵に命じてきたあの人も人が悪い
どう見たって、葵の経験が乏しいのはわかるのに

だれにも触らせない
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