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イケメン戦国~IFな小噺(家康only)~

第6章 酔いの代償 〈完〉


これは、葵がつけたものだろうか?
だろうか?じゃなく
葵しかいない


昨日見た
葵の首筋から胸元に広がる赤い痕を思い出す


あれは俺がつけたもの
これは…葵がつけたものだ


お互いにつけ合ったということに、
何とも言えないむず痒さを感じて
口元に手をやる
こんなに嬉しいなんて


覚えていないことが悔やまれると肩を落とした時
ふとある記憶が蘇る


『この痕が消えるまでに、葵を貰っていい?』
『うん』
葵が恥ずかしそうに
でも嬉しそうにふわっと微笑む顔を
はっきり思い出した



「!!」
好きな女を初めて抱くのに酔った状態が嫌で
最後まではしなかった
当日の自分の気持ちまで思い出し
ホッとしたような残念なような微妙な気持ちを持て余す



葵と話をしないと!!
政務の合間を縫って葵を探すが
容易に捕まらない

「先ほどまでこちらにいらっしゃったのですが…」
という言葉を何度聞いたか分からない
葵は寸でのところで、俺の捜索を掻い潜っていた

探し始めて2日目の夕餉の時間になるころには
苛立ちも頂点に達し
こっそり葵の部屋で待つことにした

自分は御殿に帰ったとの情報を流しておいたし
だれかの協力を得ていないのであれば
すぐに部屋には戻ってくるだろう
葵の事だ、あの夜の話は誰にもしていないはず
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