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イケメン戦国~IFな小噺(家康only)~

第3章 雨担当の憂鬱〈完〉


「ちょっと来て」

「えっ」


手を引いて葵の部屋までつれていく
中に押し込めて後ろ手に襖をしめた


「家康、どうしたの?」

「脱いで」

「えっ?」

「俺の御殿でほかの男の着物なんて着させない。早く脱ぎなよ」

「まって家康。どうしたの?」

「脱げって言っているのが聞こえないの?」

「そ、んな…」

冷たい目で見下ろされ葵の身体が小刻みに震えている



家康が近づくと、その分葵が離れる
また近づくと、離れる
何度か繰り返していると
葵の背が壁にあたり
家康は距離を縮めていく


「ま、まって、脱ぐから。家康は部屋で待ってて?」

「もう遅い。俺が脱がせてあげるよ
俺はあんたの世話役なんだから確認しないといけない事もあるしね」

すっと手を伸ばし葵の簪に手を触れる
すると葵は弾かれたように簪を自分の手でとり、胸の前で隠すようにする
他の男には触られたくもないか…



自分以外が与えたものを身につけるなんて許せない
自分以外が葵に触れるなんて許さない



「あんたを見てると本当に苛立つ」

弾かれたように顔をあげ、悲しそうな顔をした葵の肩に手を置き壁に強く押し付けた

ふいに、いつもの葵の香りに別の匂いが混ざっていることに気づく
その香りの主に思い至り
身体の中にどす黒いものが湧きたつのがわかる
馬に乗っていれば、背を預けている者の香りがつくのは当たり前だが、
そんなことに気が付く余裕など一切なかった


獰猛に首筋にかじりつく

「ひっいた、い、、」
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