第2章 消えない疼き〈完〉
家康の身体の方に首を傾け
真っ赤な顔をして口に手をやり
少し震えている
自分の腕の中に納まっている姿を見下ろし
気が付いた、、、
もしや
このやり方が一番まずかったのではないか…と
かといって、ここまで来たらやり直すことはできない。
数秒だ。これは処置だ。無だ!
自分に言い聞かせ葵の首筋に顔を埋める
首筋に口が付く前に、葵が首をすくめたことで
頬と頬がぴったりとくっついてしまう
「っ!!」
あわてて、身を起こす
「!!す、すみません!」
これまで気が付かないようにしていた葵の香りを強く意識してしまい動揺を隠せない
くそっ
ふわっとかおる甘い香に、おかしくなりそうだ
これ以上は…本格的にまずい
柔かい頬の感触がじわじわと浸食してくる
目の前がチカチカする