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イケメン戦国~IFな小噺(家康only)~

第2章 消えない疼き〈完〉



朝同様、家康の目の前に俯いた葵が座っている。

「どちらが良いかあんたが選んで」


今日一日中考えていたが、後ろもやばいが前もやばい
前だと
唇をつけただけで腰砕けになる葵を支えるため
腕で自分の方に寄せる必要がでてくる。

葵も家康の背中に手を廻すことになるので、
抱き合っているようになってしまうのだ。

一番まずいのが
葵が抱きつくので胸があたることだ
更に家康の耳の近くであんな声を出されるのは
たまったものではない。



「…後ろでお願いします」

「わかった」

「あと、壁によっていいですか?」

「壁に?」

「はい、私が壁に手を置いて自分を支えれば少しは楽かと」

「わかった。じゃあ、あんたのやり易いように移動して」


なるほど!
壁の支えがあれば大丈夫そうだ!


葵は壁に手が付く距離で、壁を向いて腰を下ろす。



「じゃ、首を寄せて。いくよ」

葵が壁に手をついて準備をする。

「はい!準備万端です!」


かぷっ
ちゅー


「んっやあ、、んっんんーー」


家康が首に口をつけた時点で
壁についた葵の手が力を無くしてしまう
壁にぶつかるのを避けるため
右手を前に回して肩と首を支えようとしたら。。。
葵の口を塞ぐようになってしまったようだ。


テキパキと処置を済ませる。


「悪い。手の位置がずれた。苦しくなかった?」

今だ家康に寄りかかったままの葵に声をかける。

「だいじょう、ぶ、です」


家康は壁にもたれて座り、
膝の上に葵の頭がのるよう身体を横にしてやる

「このまま少し休んで」

「ありがとうございます。
すみません。いつまでたっても慣れなくて」


膝に目を落とすと、やはり耳まで赤くして
うずくまっている葵がみえる

「人には苦手なことがあって当たり前。
気にしなくていい。
明日の朝は傷の様子を見てどうするか決める」

「はい」
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