• テキストサイズ

【黒子のバスケ】ブルーな愛情

第9章 体育祭


~黒子side~


体育祭の後片付けはみんなやりたがらない。
だからサボる人も勿論いて、僕と久瀬さんがいる保健係は僕達2人以外誰も片付けに来なかった。


「まあ別に、保健係の仕事なんて救急箱の片付けくらいなんだけどね~」


そう言いながらもサボらずにせっせと働く久瀬さんは偉いと思う。
そんなことを言ったら、

「それは黒子くんもじゃん」

なんて言って笑うだろうから言わないけれど。


救急箱を片付け終えた久瀬さんがゴミ袋に手をかけようとした時、一瞬早く僕がゴミ袋を掴んだ。


「僕、ゴミを捨ててきます」

「あ、うん!よろしく」


さすがに、重いゴミ袋を久瀬さんに持たせるわけにはいきませんからね。








ゴミ袋2つを少しふらつきながら何とか焼却炉まで持ってきた。
…バスケの時以外でも、こういう時、筋力がもっと欲しいと思います。

ゴミ袋を焼却炉に入れようとしたとき、焼却炉の裏から微かに声が聞こえた。

少し耳を澄ましてみると、それは黄瀬くんと青峰くんの声だった。


「あーあ、やっぱり青峰っちに勝てなかったっス」

「別に体育祭のリレーなんかどうでもいいだろうが」

「いやいや大事っスよ!だって俺、リレーで青峰っちに勝てたら瑠衣っちに言うつもりだったんスよ」

「は?瑠衣?…言うって、何をだよ」

「何をって…分かんないんスか?


瑠衣っちのことが好きってことをっスよ」

「………は、あ!?」

「…まあ実際は負けたくせに告白に近いこと言って、しかも分かってもらえなかったんスけどね」


…やっぱり黄瀬くんは久瀬さんのことが好きだったんですね。
でも久瀬さんは青峰くんのことが…、それを黄瀬くんも知っているはず。


「青峰っちさぁ、瑠衣っちをいつまで待たせる気っスか?」

「…何のことだよ」

「あーダメダメ。そういう鈍感なフリする男はただのヘタレっス」

「なっ…!黄瀬テメェ、誰がヘタレだ!」

「アンタのことっスよ。分からないなんて言わせないッスよ。

いい加減にしないと俺、



瑠衣のこと奪うっスから」


/ 156ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp