第1章 幼馴染み
~青峰side~
走り去っていく幼馴染みをぼんやりと見ていた。
あいつとは俺が部活に出なくなった頃から話す回数が減った。
それまでは瑠衣が体育館に遊びに来たり、お互いの家を行き来して遊んだりした。
瑠衣は変わった俺が嫌いなんだろう。
だから距離を置かれたんだ。
「でもどうすりゃ良いんだよッ…!」
バスケを楽しめない。
バスケが好きだと心から言えない。
どうしようもねえよ。
俺に勝てるのは俺だけなのに、どう楽しめっていうんだよ。
だけど、
瑠衣の悲しそうな顔を思い出すと、自分が嫌になる。
あんな顔させたくないのに、あんな顔させてるのは他の誰でもなく、俺なんだ。