第1章 幼馴染み
私は掠れた声で言った。
「あの…大輝」
唇が渇いている。
緊張してるんだ。
「なんだよ」
気だるそうな大輝の声を聞き、思い切って顔を上げた。
「部活は…!ッ!」
そこから先は言えなかった。
大輝が見たことない冷たい目をして私を睨みつけたから。
「…行くかよ。お前も分かってて聞いたんだろ」
「そう、だよね…ごめんね、変なこと聞いて」
私は大輝に背を向けて走り去った。
そうでもしないと、あの場で泣いてしまいそうだった。
大輝のバスケが見たい。
笑ってバスケする大輝を、もう一度見たいよ…。
私の頬に一筋の涙が零れた。