第8章 熱です
「調子どうよ」
「元気、だよ」
「俺が入ってきたとき怒鳴ってたもんな」
「ちがっ…!あれはお母さんと勘違いして、」
「どっちみち怒鳴れる元気はあるってことだろ」
「まあ…」
なんかそういう言い方されるの不本意なんだけど…。
私の気持ちなんて露知らず、大輝は部屋を自由に散策している。
だけど、大輝の興味を引くものがなくて退屈そう。
まあ大輝が興味を示すものなんて食べ物とエロ本ぐらいだからあるわけないけど。
…前はバスケ用品も。
「おい瑠衣」
大輝に呼ばれ顔を上げると、大輝は机の上に置いていた物を持ち上げた。
「コレなんだ?食いもん?」
「あっ…」
大輝が手にしていた物は黄色い袋だった。
さっき、お母さんが持ってきた黄瀬からのプレゼント。
「それ、黄瀬から貰ったの」
「…あ?」
「私もまだ中身見てないから何貰ったのか分かんないんだけど…」
「おい、待てよ」
急に大輝が怖い顔をして詰め寄ってくる。
突然のことに私は目を丸くする。