第8章 熱です
「明日、体育祭っ!?」
「そうですよ」
「うぎゃあ!?嘘だと言って!」
「嘘です」
「いや、そう言ったけどそういうことじゃなくてね!?」
思わずベッドから飛び出す。
黒子くんの天然発言に、私は頭を抱えて暴れた。
あ゙~も~大きな声出したら頭に響くよ…。
にしても明日って急すぎでしょ!
最近色々あったから時間感覚が鈍ってたみたいだな…。
「瑠衣っち大丈夫っスか…?」
「大丈夫大丈夫大丈夫…」
「大丈夫じゃなさそうだね。頭抱えてるし…」
「瑠衣っち、こういう時は寝るのが一番っス!ほら、布団入って」
黄瀬に肩を押されて強制的にベッドイン。
ご丁寧に布団までかけてもらった。
「じゃあ私たちは帰るね!」
「ちゃんと休んで治して下さい」
さつき、黒子くんが部屋から出て行った。
そのまま黄瀬も出るかと思いきや、振り向きこちらに戻ってきた。
「どうしたの…?」
そう問うと、黄瀬はひどく優しい顔をして、私の頭に手を置きポンポンと撫でた。
「ふふ…おやすみ、瑠衣っち」
それだけ言って今度こそ黄瀬は部屋から出て行った。
…黄瀬のくせに…不意打ちずるいって…。
黄瀬がカッコよく見えても全部熱のせいだ。うん。