第8章 熱です
パッと目を覚ますと、自分の部屋の天井が見えた。
「夢…」
やっぱり夢だったか。
じゃあ大輝と目があったのは気のせいだね。
あの後結局、大輝とさつきって仲直りしたんだっけ。
あんなに大喧嘩だったのにどうやって仲直りしたんだろ…?
何故か私の記憶からそのへんが抜けてるんだよね。
「とりあえず着替えなきゃ…」
制服にシワなんてついた日には、オカーサマに雷落とされる。
しかも帝光のブレザーなんて真っ白だから汚れついたら目立つし、一目見ただけでバレる。
やれやれと思い制服を脱いでいると、携帯が震えた。
誰かからメール?
「うぇ、10件!?一体誰から…」
受信ボックスを開きメールの送り主を確認する。
さつき
黄瀬
真雪
黄瀬
黄瀬
黄瀬
黒子くん
黄瀬
黄瀬
黄瀬…
明らかに数がおかしい黄瀬のメールから開いた。
『瑠衣っち今日は変なこと言ってごめんっス』
『瑠衣っち返信して下さいっス』
『瑠衣っち返信して下さいっス!』
『瑠衣っち嫌いにならないで!』
『瑠衣っちまさか何かあったの!?』
…やべえウゼエめんどくせえ。
私は携帯を高速で操り、黄瀬へのメールを作成した。
『うるさい。熱。分かったら呼吸だけしてて』
メールを送信して私は携帯を投げ捨てた。
他の人の返信は申し訳ないけど、次起きたとき…。
私はベッドに入り、意識を投げ捨てた。