第6章 変わっていく関係
HRが終わって、時間はどんどん過ぎていき、四時間目の授業が始まった。
国語の先生が文章を音読してるけど、どうしても子守歌にしか聞こえない。
「ふあぁ…」
あくびを漏らしボーっと窓の外を見ていると、最近見慣れた黄色い頭を見つけた。
黄瀬涼太だ。
校庭で2組が体育の授業をしていた。
体育祭の練習をしているようで、みんなの頭には青いハチマキが巻かれていた。
帝光中は学年を青団、白団、赤団の3つに分けて体育祭を行う。
私のいる1組と2組は青団として共に頑張ろう!という立ち位置なのだ。
だるそうに準備体操をしている黄瀬をしばらく観察していて、ふと思った。
改めて見ると、黄瀬ってかっこいいんだよね…。
一緒にいるとワンコロにしか思えないけど、こうして遠くから見てるとかっこいいし、目立つ人だと思う。
なんで私の周りの人って目立つ人が多いんだ…。
私の存在感がますます無くなっていくじゃん、もう…。