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【黒子のバスケ】ブルーな愛情

第5章 透明少年と本




さつきのいる6組から2つ横、4組の前にきた。


「えーっと、どこだ……黒子くん!」

「久瀬さん」


教室の後ろにいた黒子くんが少しびっくりした顔をしてやってきた。


「これ、いつもお世話になってるから」

「!…チョコですか。ありがとうございます」

「どういたしまして。…ところでさ黒子くん、さつきからチョコ貰った?」

「はい、頂きましたけど…?」

「……さつきには悪いけど、命が惜しければ絶対に食べないで」

「…ワカリマシタ」


私の最大限の凄みの効果は絶大だね。











「しんたろーちゃーん!」

「…その呼び方は二度とするなと言ったのだよ!」


続いて3組の緑間くんこと、真太郎ちゃん笑
ちょっとふざけて呼んでみたら緑間くんがすごく良い反応をしたから気に入ってしまった。


「それより、はい!ハッピーバレンタイン!」

「!?…俺にか?」

「新しいね!?間違い無く君に差し出してるよ!?」

「いや、このような物をマネージャー以外から貰うのは初めてなのだよ」

「…哀れむべき?ツッコむべき?」

「なっ!哀れみなどいらないのだよ!これは貰ってやるから、早く教室に戻れ」

「素直じゃないんだからー。じゃあね、しんたろーちゃん」

「呼ぶな!」












2組に近づいていくにつれて、女子の黄色い声が聞こえてくる。
何事かと思いつつ更に近づくと、1組の前に女子の大群が出来ていた。


「何これ…」

「黄瀬ちんにチョコ渡す子たちだよ~」


背後から聞こえた気の抜けた声に振り向くと、チョコを両手に抱えた紫原くんがいた。


「今日もお菓子めっちゃ持ってるね…ってえ!?この子たちみんな黄瀬にチョコ渡すの!?」

「そうだよ~」

「…黄瀬なんてメタボになっちゃえばいいのに」


でも私はあることに気づいた。黄瀬にチョコを渡す子は山ほどいるのに、肝心の黄瀬がいないのだ。


「ねえ紫原くん。黄瀬はどこいったの?」

「何言ってんの瑠衣ち~ん。黄瀬ちんならここ~」


そう言って自分の背中を差した紫原くんに、まさかと思い見てみると、


「…ちっちゃくなったね、黄瀬」

「瑠衣っちひどいっスー…!」


紫原くんの背後で膝を抱えてちっちゃくなっている黄瀬がいた。
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