第1章 幼馴染み
ただでさえ蒸し暑い体育館に全校生徒が集まったらどうなるか。
そんなもの、死ぬほど暑いに決まっている。
先生達にはその辺を考えて、話をとにかく、とにかく短くする努力をしてほしい。
ふと、隣のクラスに目をやると彼の姿が見当たらない。
大輝は今日もサボりのようだ。
大輝のサボりは今に始まったことじゃないけど、終業式くらい出たらどうなのよ、全く。
大輝は変わったな、と私は思う。
1年の頃も今も勉強は苦手のようだけど、前はちゃんと授業を受けていた。
バスケだって、前は楽しそうにやってたのに…。
そんなことを考えていると、後ろから肩を叩かれた。
振り向くと、心配そうな顔をした親友が立っていた。
「終業式終わったよ?ボーっとしてるけど…大丈夫?」
「うん…ごめんね、真雪」
真雪は私のこのモヤモヤした気持ちを理解してくれる人の一人。
明るくて優しい彼女に私は何度も救われたことがある。