第1章 幼馴染み
「あれ、今日朝練は?」
「今日は終業式の準備があるから無いんだって」
「じゃあ、大輝は?一緒じゃないの?」
「青峰くんは今日も寝坊!全く、何度起こしても起きないんだもん!」
頬を膨らませて怒るさつきを宥めると、今度は私に向かって頬を膨らませた。
「瑠衣も一緒に来てよー!1年の頃は二人で起こしにいってたじゃん!」
さつきの言葉に私はそっと溜息を吐いた。
ごめん、さつき。
そうしたいのは山々なんだけどさ、私は、
「私は大輝に会いたくないんだってば」
ポツリと小さくそう言うと、さつきは悲しそうな顔をする。
本当にごめんね、さつき。
でもこればっかりは私にもどうしようもない。
だから私は、こうして努力してるんだ。
大輝から離れる努力を。