第2章 夏休み
「終わった~!黒子っち、久瀬っち、マジありがと!」
「お疲れ様です」
「どういたしまして」
日が落ちてきて夕暮れ時になった頃には黄瀬の宿題がなんとか終わり、気づいたら私は「久瀬っち」と呼ばれていた。
「ねえ、その久瀬っちって何なの?」
「俺、自分が認めた人は~っちって呼ぶんスよ。
久瀬っちは青峰っちと桃っちの幼馴染みだし、勉強教えてくれたからそう呼ぶっス!」
うおっ!笑顔が眩しい…!
たとえ相手がワンコロの黄瀬だろうと、誰かに認められたら嬉しいに決まってる。
しかも黄瀬って結構イケメンだし…女として照れるのはしょうがないな、うん。
なんて思いながらにやついていると、不意に後ろから首に手が伸びてきて抱きしめられた。