第2章 夏休み
さつきと緑間くんの攻防を何だか微笑ましい気持ちで見ていると、正面から視線を感じた。
「ねえ、久瀬さん」
「ん?なに?」
「久瀬さんって青峰っちの幼馴染みなんスよね。青峰っちに勉強教えなくていいんスか?」
「え…」
え、みんな私が大輝の幼馴染みだって知ってるの?何故?
あ、そっか、さつきが話したのか。
なるほど、だったら知ってるよね。
一人納得した私に黄瀬が意外な言葉を放った。
「1年の頃青峰っちが桃っちじゃない方の幼馴染みの話してて、みんな覚えたんだって。
ほぼ毎日話してたらしいけど、そんなに仲良かったんスか?」
不思議そうな顔で問いかける黄瀬に私は言葉を失った。
ほぼ毎日?どうして?
確かに1年の頃は同じクラスだから喋ることも多かったし、体育館に部活見に行ったりもしたけど…。
誰にも気づかれないように横目で大輝を見る。
もしかして私、大輝の意識の中にまだ居られてるのかな?