第16章 【番外編】*merry Christmas*
思わぬ現場に遭遇したが気を取り直してスポーツショップを目指す。
しかし、道を歩いている時ふと横目で見た店の中に緑色の髪が見え、思わず二度見してしまった。
「ねぇ、大輝」
「あ?」
「あれ緑間くんだよね?」
「…マジかよ」
古風なアンティークショップの中でキョロキョロと何かを探している彼。
目当ての物が見つからないのか、店員さんに声をかけた。
「すみません、サンタとマンタの置物はどこですか?」
「すみませ~ん、只今売り切れ中です。今日の夜に来てもらえたら」
「生憎だが、今日の夜は用事があるのだよ」
「…それは残念です。またのご利用お待ちしていまーす」
店員さんの、二度と来るなリア充オーラにも気づかず、緑間くんは店を出て去っていった。
私達は彼の背中を茫然と見ていた。
ハッと我に返り、大輝と顔を見合わせる。
「…サンタとマンタって」
「…ダジャレだろ」
「寒いッ!」
カフェでも入って何か飲むか、という大輝の提案に乗らせてもらうことにした。