第14章 ガードマン
~真雪side~
黄瀬くんを購買の入り口のところで待たせて、さっちゃんと二人で入る。
パンを選びつつ、私はさっちゃんに聞いた。
「さっちゃん、瑠衣と青峰くん何かあったの?」
「え、何で?」
「昼休みに迎えに来るなんて今まで無かったからさ」
「そっか!なんかね、青峰くんが菅原くんから瑠衣を守るんだって!」
楽しそうに言ったさっちゃんの言葉に、私は同じように出来なかった。
「菅原くんって、誰?」
「え……瑠衣から聞いてない?」
「…聞いてない」
聞いてない。
その『菅原くん』のことも、今の青峰くんとのことも聞いてない。
何も、言われてない。
…ちょっとショックだわー。
瑠衣が聞かないと何も言わないのは知ってたけど。
「真雪ちゃん」
「…ん?」
「今考えてること、瑠衣に言った方が良いと思うよ」
「え、」
驚いてさっちゃんを見つめると、優しい微笑みを浮かべていた。
「…読心術?」
「え!?ち、違うよ!」
「冗談だって!」
あぁ、さっちゃんって良い子だ。
やっぱり瑠衣の幼馴染みなだけある。
焦り続ける彼女に思わず微笑みがこぼれた。
「さっちゃん、ありがとう」
「うん!どういたしまして」
「さ、早くパン買って黄瀬くんに持たせないと!」
「きーちゃんに荷物持ちなんて務まるのかなぁ?」
「まあ大丈夫じゃない?さっちゃん、時間無くなっちゃうから先に戻って大丈夫だよ」
「本当?じゃあ、そうさせてもらうね!」
ぱたぱたと駆けていったさっちゃんを見送り、パンをテキトーに選ぶ。
さて、荷物持ちに彼を選んだ理由なんて一つしかない。
黄瀬くんに言っておきたいことがある。