第14章 ガードマン
任せて、というさつきの言葉を信じることにして、私からバスケ部のみんなへの説明は一切しないでおいた。
同じクラスの人はいないし、わざわざ自分から菅原くんの話するなんて遠慮したいからね。
そして今は昼休み。
朝の宣言通り、チャイムの直後に大輝に連行された。
「瑠衣…!」
「変な勘違いしてないで、着いてきて真雪!!」
良かったね、みたいな温かーい目で見てくる真雪は間違い無く勘違いしてる。
ニコニコしている真雪と共に連れてこられたのは食堂だった。
「遅いのだよ」
「もう先に食べよー」
「むっくん待って!もうすぐ…あ!青峰くーん!こっちだよ!」
ぶんぶん手を振るさつきが見えて、そちらの方へ向かう。
そこにはいつもの皆さんが勢揃いしていた。
「あ、真雪ちんもいるー」
「おー!むっくん久しぶりー!あ、真太郎ちゃんも!」
「その呼び方はやめるのだよ!」
緑間くんをからかいながら、真雪が先に輪に入っていった。
安定のコミュ力です真雪サン。
「緑間と楽しそうに話す女なんてレアだな」
「真雪はそーいう子だとしか言いようがない」
「ちょっと瑠衣!そーいうってどーいうよ!」
「真雪はレア物ってことだよ」
「私はイリオモテヤマネコか!瑠衣のアホ!さっちゃんパン買うから一緒にきてー!あ、黄瀬くんも!」
「え、俺っスか?」
「荷物持ち!」
不名誉な荷物持ちに任命された黄瀬は渋々席を立ち、さつきと真雪について行った。
てかモデルのキセリョを荷物持ちにするとか、真雪イケメンだわ…。