第14章 ガードマン
静かに降り続ける秋の雨につられて、いつもより大人しく会話をしていたらあっという間に学校に着いた。
…これから毎朝こんな感じなの?
朝から疲れてしょうがないんだが。
下駄箱で靴を履き替えていると、ピンク色の髪を揺らした女の子が廊下を歩いてきた。
「あ!瑠衣おはよう!」
「さつき!おは「え!?青峰くん!?」
私の後ろにいる眠そうな大輝の姿に、さつきは目を丸くさせて驚いた。
分かるよさつき…!
大輝がこんな時間に学校来てるなんて、いくら驚いても足りないよね!
そう共感していたのに、何故かただならぬオーラを纏ったさつきに腕をぐいぐい引っ張られた。
「さ、さつきサン?」
「瑠衣!話!」
単語だけですか。
とりあえず大輝には先に教室に行っててもらおうと思い振り返ろうとしたが、それすら許されない。
「ちょっ、さつき!どうしたの?」
「それはコッチの台詞だよ!青峰くんと付き合ったの!?」
「…え!?違う違う!」
「じゃあ何で一緒に登校してるの?」
「それは…」
昨日からの一連の流れを説明すると、さつきは顔を赤くしながらキャアキャア叫んだ。
「大ちゃんがそんなこと言ったの!?良かったね瑠衣!」
「他人事だと思って…!」
興奮しすぎて大ちゃん呼びに戻ってるし…!
さつき、恋バナ好きそうだもんな…。
「そういうわけで、これから部活の時は体育館にお邪魔するね」
「分かった!あ、一応赤司くんに伝えるけど、大丈夫?」
「……なるべく、曖昧にして」
「ふふっ、任せて!」